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名古屋地方裁判所 昭和62年(わ)552号 判決

本店所在地

名古屋市東区葵一丁目二七番一一号

丹羽産業株式会社

右代表者代表取締役

丹羽鈴夫

本籍

名古屋市北区中切町二丁目一一番地

住居

同市天白区表山二丁目二一二番地

会社役員

丹羽鈴夫

昭和六年一月一五日生

右両名の者に対する法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官大西平泰出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告丹羽産業株式会社を罰金一、二〇〇万円に、被告人丹羽鈴夫を懲役一年に各処する。

被告人丹羽鈴夫に対し、この裁判確定の日から四年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人丹羽産業株式会社(以下「被告会社」という。)は、名古屋市東区葵一丁目二七番一一号に本店を置き、旅館の経営等を業とするもの、被告人丹羽鈴夫は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括するものであるが、被告人丹羽は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外するなどの方法により、所得の一部を秘匿した上

第一  昭和五八年八月一日から同五九年七月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が三億一、二九二万三、九八四円であり、これに対する法人税額が一億二、九八〇万七、四〇〇円であるのに、同五九年一〇月一日、名古屋市東区主税町三丁目一八番地所在の名古屋東税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二億七、三八八万八、〇九四円であり、これに対する法人税額が一億一、二九〇万五、二〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一、六九〇万二、二〇〇円を免れ

第二  同五九年八月一日から同六〇年七月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が二億九〇五万七、八四六円であり、これに対する法人税額が八、五五四万九、九〇〇円であるのに、同六〇年九月三〇日、前記名古屋東税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一億五、六四六万三、九五二円であり、これに対する法人税額が六、二七七万六、七〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額二、二七七万三、二〇〇円を免れ

もって、それぞれ不正の行為により法人税を免れたのである。

(証拠の標目)

被告人丹羽の当公判廷における供述のほか、記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)に記載されている次の番号の各証拠

甲の2ないし12

乙の1ないし11

(法令の適用)

罰条

被告会社につき 各法人税法一五九条一項、二項、一六四条一項

被告人丹羽につき 各同法一五九条一項

刑種の選択 懲役刑(被告人丹羽につき)

併合罪の処理 刑法四五条前段、被告人丹羽につき同法四七条本文、一〇条、被告会社につき同法四八条二項

刑の執行猶予 刑法二五条一項(被告人丹羽につき)

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 笹本忠男)

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